30日の「つどい」で講演される、ジャーナリストー西谷文和さんの活動紹介 


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 1月20日、後藤健二さん、湯川遥菜(はるな)さんの殺害予告動画がインターネットにアップされた。驚いた私は、すぐにトルコ在住のシリア難民や自由シリア軍兵士たちと接触を図った。2012〜14年、私は彼らを通訳に雇い、トルコからシリアへ潜入した。以後、メールやフェイスブックで連絡を取り合っていたのだ。

 その一人、アブアリー(仮名)は、トルコ南部のキリスに住んでいる。

 「日本人2人を助けたい」。アブアリーは開口一番、そう答えた。彼はすぐにIS兵士にメールした。そのメールが転送され、幹部とスカイプ(インターネット電話)でつながったのだ。その幹部はラッカ県知事の側近だった。ラッカはISの首都だ。

  IS幹部の本音は……。「ゴトーは殺したくない」だった。当初からIS側は、湯川さんと後藤さんを同列視していなかった。湯川さんは民間軍事会社の経営者として、実績を積むためにシリア入りし、銃を持ったまま拘束された。決定的だったのが湯川さんのホームページ。カラシニコフ銃を連射するシーンがアップされていた。ISは湯川さんを「スパイ」と規定し、英語で「WAR CRIMINAL(戦争犯罪者)」と述べた。

 一方、後藤さんはシリア内戦を止めたいというメッセージを発している。戦争で傷つく子どもたちを救いたいと行動し、数多くの著作もある。IS側はそんなことも知っていて、幹部は後藤さんを「HOSTAGE(人質)」と規定していた。

当初の要求は「72時間以内に2億ドル(約236億円)を払わなければ2人を殺害する」だった。法外な金額で、大幅なダンピングが必要だったとは思うが、この時点で日本政府が身代金交渉に応じていれば、少なくとも後藤さんは救出できたはずだ。

 72時間が過ぎた。ISは、まず湯川さんを殺害した。この時点で、要求は身代金から、ヨルダンに捕らわれていたリシャウィ死刑囚との人質交換になった。なぜISがリシャウィ死刑囚を求めてきたのか? それは日本の対策本部がヨルダンにあったからだ。もしトルコにあったら、ISはトルコか自由シリア軍が拘束した別のIS幹部との人質交換を求めただろう。それは交換可能だったと思う。

 通訳の一人でイスタンブール在住のジャラールとは、ひっきりなしに連絡を取った。彼はシリア避難民で、シリア国内はもちろん、国外に逃げたシリア人たちにもつながっている。ジャラールにも「どうしたら解放できるか?」と質問した。ジャラールは「対策本部はトルコに置くべきだ」と主張した。なぜか?

 ヨルダンはISを空爆する側、つまり敵であり、交渉は成立しないという意見だった。一方、トルコは空爆には参加せず、米軍による国内基地の使用も認めてこなかった。トルコはシリア内戦で、アサド軍に対抗する自由シリア軍を支援してきた。兵士の一部が、その後ISに合流したので、トルコはISとのチャンネルを持っている。

 私も、どう考えてもトルコのエルドアン大統領に頼むしかないと思った。27日、外務省中東アフリカ局に緊急電話を入れて事情を説明し、私の通訳たちがイスラム国とつながっていること、彼らはトルコルートを採用すべきだと言っていること、外務省がスカイプで直接交渉もできることなどを申し上げた。しかし、

一回も取り次いでさえくれなかった。私は「完璧に無視」された。

 29日朝、最後のメッセージが出された。「29日の日没までに、リシャウィ死刑囚をトルコ国境まで連れてこい。あくまで後藤との1対1の交換だ。連れてこなければ、まず(ISが捕らえていた)ヨルダン人パイロットを処刑する。そしてその後、ゴトーは処刑される」

あと16時間しかない! 人質交換の場所はトルコ国境の町、アクチャカレ。最後の最後にやはりトルコが出てきた。だから「トルコに頼め」と言っていたのに……。時刻だけが過ぎていった。29日夜、運命の日没を迎える。アブアリーは、キリスからアクチャカレに移動して、一部始終を見てくれた。

 この時、ISは後藤さんの身柄をトルコ国境に移送していた。アクチャカレとシリア側のタルアブヤドはきわめて近く、障害物もないので互いの姿が見える。太陽が沈む。タルアブヤドの丘の上にIS兵士が現れ、両手で大きく×印を作った。「期限が過ぎたのでもう交換には応じない」という意思表示だ。そしてシリア側の国境が閉ざされた。

 2月1日、後藤さん殺害動画が公開される。救出のチャンスがありながら、安倍政権が迅速かつ合理的に動かず、むしろ「解決させない方向」へ動かしてしまったように思える。政治は結果責任である。2人を救えなかったことは、日本の外交史上まれな失態と断じざるを得ない。

毎日新聞 20150415日 大阪夕刊



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by jcpkasiba | 2017-09-13 15:13 | Comments(0)



9/13(水) 9:47 配信


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by jcpkasiba | 2017-09-13 15:12 | Comments(0)

「9.30つどい」で前川きよしげ弁護士が緊迫した状況を講演

自民党の憲法改正推進本部(保岡興治本部長)は12日、党本部で内閣改造・党役員人事後初となる全体会合を開き、党改憲案の取りまとめに向けた議論を再開しました。安倍晋三首相(党総裁)が提案している9条1、2項を残し、自衛隊の存在を明記する改憲案がテーマでした。

 全体会合に先立つ役員会で、保岡氏は9条に関する3巡目人10月以降)の会合で、首相案をベースにした条文のたたき台を提示する考えを示しました。全体会合では「自衛隊を明記する条文のイメージを示さないと議論が進まない」と述

べ、今月下旬に召集予定の臨時国会への改憲案提示に向け、条文案とりまとめ作

業を本格化させようとしています。

 自民党が2012年にまとめた改憲案は9条2項を削除し、国防軍を創設する

ものでしたが、国民の支持を得られず現実性がないとして事実上取り下げるものです。他方、自民党は「従来の政府解釈は1㍉も動かさない」と青いますが、自衛隊の憲法明記で「武力によらない平和」の9条理念を根本的に転換し、海外での無制限の武力行使に道を開きます。

 安倍首相は9条のほか、緊急事態条項の創設、参院選挙区の合区解消、教育無

償化も改憲項目として示しており、推進本部は6月以降、所属議員から各項目ごとに意見を聴取しました。2巡目の今回から改憲案策定を目指して意見集約を図ります。

 会合には二階俊博幹事長が出席。党執行部が率先して取り組む姿勢を示し、改

憲の機運を維持する狙いとみられます。20日に次回会合を開き、緊急事態条項について協議します。

「しんぶん赤旗」


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by jcpkasiba | 2017-09-13 10:10 | Comments(0)
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