2018年は「惑星直列の年」と呼ばれる。惑星が一列に並ぶように、社会保障の制度改正が重なるためだ。医療や介護などの「負担増」「給付減」の波が、ますます家計を圧迫する。安心して医療や介護を受けるために何を知り、備えておくべきなのか「2018年は、2年に1度の診療報酬と3年に1度の介護報酬の“ダブル改定”が実施されるほか、4月からは地域の医療機関の病床再編が本格化する『地域医療構想』がスタートします。同じく4月からは国民健康保険(国保)の財政運営が市町村から都道府県に移管されるなど、重要な改革が目白押しです。これだけ大規模な制度改正が一斉に行われるのは珍しく、私たちの暮らしや家計に大きな影響を与えます」

 そう話すのは、三原岳・ニッセイ基礎研究所准主任研究員だ。

 これらの改革は、団塊の世代のすべてが75歳以上の後期高齢者になる25年に向け、膨らみ続ける社会保障費を抑制するために行われる改正だ。何がどう変わるのかみていこう。

国保の都道府県化で保険料がさらに高騰

「家賃5万円を払い、子どもに食べさせるお米や野菜を買えば手元に残るお金はほとんどありません。これ以上何を削ればいいのか……。とても保険料に回せるお金はありません」(東京都足立区・38歳自営業女性)

「勤めを辞めて会社の健康保険から国保に移ったら、1カ月に3万円もの保険料になり、高いことにビックリした」(横浜市・66歳男性)

 定年退職した人や自営業者らが加入する市町村の国保は、年々保険料(税※)が高騰し、「高すぎて払えない」との悲鳴が上がっている。

 たとえば、所得が年250万円の3人家族(30歳代の夫婦と子ども1人)の場合、国保料は東京23区で35万2800円、大阪市34万7100円、福岡市35万2100円など、所得の1割を大きく上回っている。1カ月の給与が吹き飛んでしまうほどの高負担は限界だろう。

 高騰を招いている要因は、加入世帯の低所得化と国の予算削減だ。国民健康保険制度に詳しい立教大コミュニティ福祉学部の芝田英昭教授はこう話す。

「かつての国保加入者は、農林水産業や自営業者が多かったのですが、現在は年金生活などの無職者や非正規雇用者が約8割となり、所得なし世帯が約3割、所得100万円未満の世帯が半分を占めています。所得に占める1人あたりの保険料負担は会社員らが加入する組合健保の約2倍で、最も所得の低い層が最も重い負担を強いられている状況です」

 被用者保険の保険料は会社と折半なので自己負担は半分で済むが、国保は全額自己負担だ。また、給与によって保険料が決められている被用者保険は扶養家族が何人いても保険料は同じだが、国保は家族が多いほど保険料が比例して高くなる、という構造的問題もある。

「加えて、1984年には約45%だった国庫補助が、2015年度には20・3%にまで削減され、その結果、高すぎる保険料を払えなくなる人が続出しているのです」(芝田教授)

 16年度の滞納世帯は312・5万世帯と全加入世帯(1968万世帯)の約16%が滞納しているのだ。

 財政難にあえぐ自治体は、未納者や滞納者を「差し押さえ」などの処分で締め上げる。国保料を払えずに差し押さえられた世帯数は、06年の9・5万件から29・8万件とこの10年で3倍にも増えている。

 こうした赤字財政の国保を立て直すため、今年4月から、国保は市町村と都道府県の共同運営に変わる。1961年の制度開始以来の大改革だ。

 都道府県化して規模を大きくすれば財政基盤が安定し、移管に伴い国から財政支援(2018年度約1700億円)も受けることができる、というのが国の説明だ。保険料の払い方は変わるのだろうか。

「新制度になっても、国保料の額を決め、住民から保険料を徴収するのは引き続き市町村の仕事です」(芝田教授)

 では都道府県はどのような仕事をするのか。

「これまでは、市町村が医療費の推計や保険料の決定、徴収を行っていましたが、今後は、都道府県が医療医の推計を行い、市町村に『納付金』を割り当てます」(同)

 次のような流れになる。

(1)都道府県が市町村に対して「納付金」の金額を提示する

(2)「納付金」の提示を受け、市町村は「納付金」がまかなえる保険料率を決める

(3)加入者から保険料を徴収する

(4)市町村は、都道府県に「納付金」を納める

「納付金は100%完納が義務づけられ、減額は認められません。そうなると市町村は住民から集める国保料の徴収を強化するしかありません。納付金とあわせて、都道府県は各市町村の『標準保険料率』も公表することになっていて、この標準保険料率を参考に市区町村が実際の保険料を決めるのです」(同)

 標準保険料率はあくまで“参考”であって市町村は従う義務はない、とされている。しかし、芝田教授はこう話す。

「建前はそうなのですが、県から提示された“あるべき保険料”の提示が、市町村への圧力となって働きます」

 さらに保険料アップに影響を及ぼすのが、保険料を抑制するために、一般会計から国保会計に投入している「法定外繰入金」だ。

「政府・厚労省は繰り入れを『計画的に解消していくべきだ』という方針で、その“指導役”の役割を都道府県に果たさせようとしているのです」(同)

 税金の補てんがなくなれば急激な保険料上昇を招いてしまう。

 今でも多くの市町村は、国保料の収納率を上げるために正規の保険証を取り上げたり、預金や財産を差し押さえするなど強権的な手法をとっている。具合が悪くても病院を受診できず、治療が手遅れになって命を落とすケースも相次いでいる。

「国保が抱える構造的問題を放置したまま、市町村に徴収強化を促すような都道府県化を導入すれば、加入者はますます貧困に追い込まれ、医療を受けられない人たちも増えるでしょう」(同)

 市町村でバラバラの保険料を統一すべきかどうかは、都道府県によって対応が分かれている。現状通り、財源不足分を一般会計から補てんし続ける予定の自治体もある。自分が住む自治体の保険料がどうなるのか、注視していきたい。

病床削減で医療難民が出る!?

 国保の都道府県化に限らず、今後はあらゆる医療行政において「都道府県の役割」が強まっていく、と先の三原さんは言う。

「一律の財源対策が難しくなってきた国は、病床を削減したり、保険料上昇を抑えるために都道府県の役割と責任を強化しようとしています。都道府県によって異なる診療報酬(医療の公定価格)が導入される可能性もあります。後で振り返ると18年は医療行政の都道府県化が進んだ元年と言われるかもしれません」(三原さん)

 昨年末までに、47都道府県は、医療提供体制の将来像(ビジョン)を示す「地域医療構想」を策定した。それによると、現状約127万4500床の全国の病院のベッド(病床)数は25年に約119万床に減る見通しだ。

 特に、重い病気で入院している患者向けの「急性期病床」が削減される。

「急性期病床は病院にとって採算性の高い部門なので、政府はこれが医療費増大の原因とみて、減らそうとしているのです。急性期病棟には現在、患者7人に対して看護師1人が配置されていて、最も報酬が高いのですが、政府はこの算定方法を見直して報酬を引き下げ、再編を促そうとしているのです」(全国保険医団体連合会の寺尾正之さん)

 介護施設や在宅介護ができる態勢が整っていなければ、病院から追い出されて行き場をなくす“医療難民”や“介護難民”が出かねない。

「在宅に戻されても、生活援助の利用が制限されるなど介護保険サービスも十分に使えなくなっている現状です。途切れない医療介護体制を国の責任でつくるべきです」(寺尾さん)

 一方、前出のニッセイ基礎研究所の三原さんは、こう話す。

「地域医療構想は病床削減目標だけでなく、地域の医療提供体制と、その理念を描くことを求められています。都道府県が発表した地域医療構想を子細にみていくと、地域特性を生かした独自の医療体制を構築しようとしている自治体も見受けられます」

 つまり、都道府県の“やる気”“意欲”によって、医療体制の格差が広がる可能性が出てくるということだ。

「高齢者が増えていくなか、『治す医療』だけでなく『生活を支える医療』の重要性が増していきます。住民もいきなり大病院に行くのではなく、身近に相談できる医師を探したり、そうした医師の情報を提供している医療機関や自治体の情報を収集したりして、自ら能動的に考え動いていくことが大事になります」(同)

介護保険からの「自立」「卒業」という非道

「年金から高い保険料を天引きされながら、いざ介護サービスが必要になると、『要支援の人の調理や掃除はヘルパーじゃなくボランティアにやってもらえ』なんておかしいですよ」

 要支援2で週1回の訪問介護サービスを利用している75歳の男性は憤る。

 膨張する介護給付費に歯止めをかけるために、サービスを使いにくくしたり、利用者負担を重くする施策がここ数年、次から次へと繰り出されてきた。

 (1)要支援1、2のホームヘルプ(訪問介護)、デイサービス(通所介護)は保険からはずされ市町村の事業に(2)特別養護老人ホームへの入居は原則要介護3以上の人に(3)所得にかかわらず1割だった自己負担は一定所得以上の人は2割に(4)非課税世帯でも預貯金が一定額あれば、介護保険施設の食費や部屋代の補助(補足給付)は打ち切り――。

 そして今、盛んに言われているのが介護保険利用者の「自立支援」だ。介護保険サービスの利用が必要なくなった状態を「自立」と呼び、介護保険から「卒業」させる動きが全国の自治体で広がっている。

 身体機能を高めて要介護度を改善した市町村には、財政的に優遇する「インセンティブ」(動機づけ)の制度が改正介護保険法に盛り込まれた。

「ヨボヨボになっているのにリハビリを一生懸命やって自立しよう、なんてハッパをかけられるのは拷問に近い」と76歳男性(要介護1)は憤る。

 リハビリなどを行った高齢者が「元気」になることは喜ばしいことに違いないし、多くの人の要介護度が下がれば介護給付費も抑えられて一石二鳥ともいえるが、「大きな危険性をはらんでいる」と前出・三原さんは指摘する。

「すべての高齢者が、リハビリなどによって要介護度を下げられたり、介護保険を卒業できるわけではありません。そもそも介護保険制度は、高齢者のニーズに応じて自らサービスを選択し、その人らしく暮らすことを支援する、という理念だったはずです。次々行われる見直しをみていると、利用者の選択権を奪い、行政が使うサービスを決めていた介護保険導入前の『措置』制度に戻りつつある気がします」

 ヘルパーが料理や掃除などを手助けする「生活援助」についても、使いすぎないように利用を制限する仕組みが今年10月から始まる。生活援助を行うヘルパーの資格を短い研修でも可とする基準緩和が4月の介護報酬改定で盛り込まれた。いずれも“軽度者”を介護保険から切り捨てる意図が透けてみえる。

「介護保険は保険である以上、保険料を払った人には反対給付を伴う必要があります。要支援や要介護状態の人に介護サービスの利用を制限したり取り上げたりするのは、約束違反であるし、詐欺のようなものです。国保も同じですが、財源が厳しいとか、保険料を払える、払えないとは関係なく受給権を保障するのが社会保障です」(芝田教授)

 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利「生存権」が脅かされつつあることに私たちはもっと声を上げていかなければいけない。




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# by jcpkasiba | 2018-01-19 09:43 | Comments(0)


 自営業者らが加入する国民健康保険(国保)の財政運営主体が新年度、市町村から都道府県に移管される。少子高齢化による加入者の減少などで厳しさを増す財政の安定化が目的だ。県は現在、市町村間で最大2倍近い善がある加入者1人当たりの保険料の水準を2024年度には統一し、同時に医療費の伸びを抑える取り阻みを強化して健全化につなげたい考え。しかし、現時点の試算でも同年度の保険料は′3劃以上増える見通しで、加入者の将来的な負担増は避けられそうにない。           【新宮達】

 国保は従来、保険料や国の交付金などを基に各市町村が運営してきた。県によると、県内の加入者は年々減少し、16年度は347313人と5年前から約1割減。6574歳の割合は4割を超え、1人当たり医療費の平均は年35564円で逆に約1割増えた。県内39市町村中5市町村が国保の特別奄計に累積赤字を抱える。保険料も各市町村の事情で異なり、16年度の県の1人当たり平均は年額89151円だが、最も高額な天川村(H9535円)と最も低い御杖村(63440円)で188倍の差が生じている。国保の運営が18年度から都道府県に移管されるのに当たり、各都道府県は「標準保険料率」を示し、それを参考に市町村が保険料を決める。県は負担の公平性からも同年度以降、市町村が保険料を抑える目的で一般会計から国保会計に予算を繰り入れることなどを原則禁止し、個別の協議を経て保倹料を段階的に引き上げ、県内全体で同一水準にしたい考えだ。

 国保の単年度赤字相当額を一般会計から繰り入れ、保険料を抑えてきた葛城市では16年度に12700万円が繰り入れられた。市の担当者は「国保の加入者が優遇されていたのは事実。今後は県と協議し、対応を決めたい」と話す。

 また、下北山村では保険料収納率が県内で唯一、100%であることに伴って県から交付される450万円で保険料を低く抑えてきた。このインティブもなくなる見通しで、18度以降の保険料賂は上昇が必至だ。

県は今後も医療費が増加すると見込み、現時点で24年度の保険料16年度比で35%増となる年12万円程度と試算。単純比較で最も高かった天川村と同レベルになる。

 こうしたことから、県は医療費の抑制や事務の効率化を積極的に進める。医寮費抑制では、使用が6割程度にとどまっている安価な後発(ジェネリック)医薬品の奨励を働き掛ける。また、県国民健康保険団体連合会に委託し、収納率(16年度で9389%)の引き上げも図る。県保険指導課は「さまざまな手段を通じて国保財政の健全化を進めたい」とするが、財政への効果は現時点で未知数だ。

「見解」
 この記事は県がプレス用にリリースした資料をもとにまとめられている。県の姿勢は、国の新しい国保の制度設計をもとに、それを全県下に貫徹しようとするもので、そこには、国保加入者の実態や要求に即したものではなく、全県一本化の名のもとに、保険料の収納率アップ、受診抑制、自治体の独自施策の放棄をもとめ、究極的には保険料の待続的な値上げをもくろんでいる。記事でもあるように「財政的効果は未知数だ」まとめられているように、この全県一本化も将来的展望をもたないままの、場当たり的な対応に過ぎない。日本共産党は、憲法25条に反する国保制度改悪には断固反対する。

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# by jcpkasiba | 2018-01-11 10:05 | Comments(0)

 日本共産党の小池晃書記局長は18日、国会内で記者会見し、リニア中央新幹線の談合疑惑で大手ゼネコンに家宅捜索が入ったことについて問われ、「“世紀の巨大プロジェクト”と言われてきた事業が“世紀の巨大談合事件”に発展しつつある。政府は、工事を中止させて徹底的な真相解明の責任を果たすべきだ」と強調しました。
 スーパーゼネコンと呼ばれる大手4社(大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設)が談合していた疑いが濃厚になりつつあります。
 小池氏は、リニア工事については「民間会社(JR東海)の事業」という形態をとることでさまざまな情報が開示されていないと指摘。そもそも安倍晋三首相は、建設費9兆円のリニア中央新幹線を“国家的プロジェクトだ”と位置付け、財政投融資という公的資金を3兆円も投入していると述べ、「『民間会社がやっていること』では済まされない。リニアはまさに公共的工事であり、今回の疑惑も本来なら官製談合として扱われる事件だ。国の責任は重大だ」と強調しました。
 その上で、日本共産党は、リニア中央新幹線は、ばく大な国民負担、環境破壊、電力の浪費などまったく道理がない事業だとして反対してきたが、政府は少なくとも今回の疑惑が明らかになった以上、工事中止・疑惑解明の責任を果たすべきだと強調しました

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# by jcpkasiba | 2017-12-19 09:40 | Comments(0)

 市町村が運営する国民健康保険では、「給与年収400万円の4人家族で国保料が年41・7万円」(東京都特別区)など、住民の支払い能力をはるかに超える保険料(税)が各地で大問題となっています。高すぎる国保料(税)を完納できない滞納は312万世帯にのぼり(2016年度)、滞納制裁として保険証を取り上げられた生活困窮者が医者にかかれず重症化・死亡したり、生計費を差し押さえられた滞納者が、餓死や自殺に追い込まれたりするなどの事件も多発しています。

 日本共産党は、国の責任で国保料(税)を引き下げ、国保制度を立て直す改革をすすめます。無慈悲な保険証取り上げや問答無用の滞納制裁をやめさせて、住民の命と健康をまもります。

〔「国保の都道府県化」による住民犠牲の国保行政の拡大に反対する〕

 安倍・自公政権が2015年に強行した法改定により、2018年度から「国保の都道府県単位化(都道府県化)」が実行される予定です。

 新制度が施行されれば、国保は「都道府県と市町村が共同で運営する制度」となります。「都道府県化」が実施された後も、国保料(税)の率・額を決定し、住民に賦課・徴収するのは引き続き市町村の仕事ですが、国保財政は都道府県に一括で管理されるようになり、都道府県が各市町村に「納付金」を割り当て、市町村が住民から集めた保険料を都道府県に「納付」する形で、国保財政はまかなわれることになります。都道府県は、「納付金」の額を提示する際、市町村ごとの「医療給付費の水準」「標準的な収納率」「標準保険料率」などの指標を提示します。こうした仕組みの導入により、“給付費の水準が高い自治体”“収納率が低い自治体”“一般会計からの公費の独自繰入で保険料を下げている自治体”などを浮き立たせ、都道府県から市町村に、給付費抑制、収納率向上、繰入解消を“指導”させるというのが、制度導入の狙いです。

 今回の制度改変に際し、政府・厚労省は、「国保への3400億円の公費投入」を行なうとしていますが、その投入額の半分は、都道府県・市町村の国保行政を政府が“採点”し、“成績が良い”とされた自治体に予算を重点投入する、「保険者努力支援制度」という、新たな仕組みによって配分されます。そこでは、▽市町村に公費の独自繰入をやめさせるよう、都道府県が指導しているか、▽市町村が、滞納者への差し押さえなど、収納対策の強化を行っているか、▽都道府県が、病床削減など医療費抑制の取り組みを行っているか、などが重要な“採点項目”となる予定です。

 新制度のもと、都道府県には「国保運営方針」の策定が義務づけられます。2018年度は、「地域医療構想」「医療費適正化計画」「医療計画」など、この間の法改定によって新設されたり、内容が強化された、病床削減・給付費抑制の計画も、いっせいに発動する予定です。これらの計画は、いずれも都道府県が策定することとされ、しかも、「国保運営方針」と「整合」させることが法律で定められています。「国保運営方針」による市町村国保への予算配分、「医療費適正化計画」による給付費抑制、「地域医療構想」による病床削減――これらの権限をすべて都道府県に集中し、強権的に給付費削減を推進させることが狙われているのです。

 高すぎる国保料(税)の問題を改善するどころか、さらなる負担増と徴収強化を推進する、こんな「都道府県化」では、住民の困難と制度の矛盾は深まるばかりです。そこに、強引な給付抑制策や病床削減が結びつけば、地域の医療基盤が壊れかねません。

 日本共産党は、「国保の都道府県化」による国保料(税)の負担増、住民いじめの国保行政の強化に断固反対します。

 新制度に代わっても、市町村の判断で一般会計の繰入が可能であることは、法案審議の議論で、厚労省もたびたび答弁しました。自治体の判断による公費繰入をまもり、国保料(税)軽減に向けた努力をさらに前進させます。

 来年度から国保の運営主体となる都道府県にも、「給付費削減の先兵となるのか、住民福祉の砦となるのか」を問いながら、都道府県独自の財政支出を行ない、住民負担の軽減や地域医療の向上の先頭に立つことを求めていきます。


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# by jcpkasiba | 2017-12-10 12:53 | Comments(0)

10月の総選挙では、ごく一部の教団を除いて、宗教界の大半は組織的な選挙関与をしなかった。安保法制(戦争法) につづく共謀罪法強行採決や森友・加計・日報疑惑を隠し通すためだけの「大義なき解散」に宗教界は一歩距離をおいて対応した。安倍政権下での新たな傾向といえるかもしれない。

 積極的に選挙に関わつたのは創価学会と神社本庁など日本会議系教団の一部。神社本庁(神道政治連盟)は安倍9条改憲派の250人余を推薦し、選挙後には 「改憲論議のさらなる進展が期待される」(神社新報1030日)と述べた。

 自民支えた創価学会

 とはいえ、神社本庁にはさしたる集票力はない。他の日本会議系教団も同じだ。つまるところ、この総選挙に積極的に関与し、かつ影響力を与えた教団は創価学会のみ。学会は今回も「自民党の支持母体」という存在感を十分に示した。

 自公両党は小選挙区を棲み分けている。全289選挙区のうち9選挙区が公明党、残る280選挙区が自民党で相互支援をする。公明党の組織母体である創価学会は全選挙区の97%で自民党候補に組織票を提供したわけだ。

 その結果、自民党は小選挙区で218議席を獲得したのだが、当選した自民党候補と次点の票差が1万葉未満の選挙区が281万~2万票差の選挙区が39あつた (2万~3万票差は29)。

 比例区の公明党票は697万票だから平均すれば1小選挙区に24000票。その大半が創価学会の組織票である。これがなければ、次点との票差が2万票以下の67選挙区ではほぼ完全に当落が逆転する。となれば、自民党の全議席は210前にまで落ち込むことになる。自民党は今回も創価学会票と、大量の 「死票」を生む小選挙区のマジックによって救われたのだ。

 ところが創価学会は、自民党の「大勝」に貢献しながら、身内の公明党は大幅に後退するという結果になつた。公明党はこの選挙で安倍政権との連携に活路を求めて「政治の安定」を唱えたが小選挙区で1議席、比例区で5議席を失った。小選挙区の落選は民主党が大勝した2009年総選挙以来のこと。創価学会が「広宣流布のバロメーター」と位置づける比例票も700万票を割った。これは自公達立体制を組んだ1999年以降初めてのことである。

 公明党後退の要因

 公明党後退には二つの要因がある。一つは自民党との選挙協力。創価学会=公明党の支援を受ける自民党の小選挙区候補は「比例は公明党」と訴えることになっているのに、今回はそれが少なかった。事実、選挙後に「安倍晋三首相は山口那津男(公明)代表に『協力不足』を認めて謝罪した」と時事通信1026日付が伝えている。

 直接の原因は7月の東京都議選で公明党が自民党と手を切って小池百合子都知事の側に走り、自民党が大敗したことにある。だから総選挙の結果について自民党側には「『自業自得』と突き放す向き」があり、「公明党内でも『コウモリのような、主張ではなく強い者に擦り寄るという本音が見透された気がする』との声が漏れる」と前掲時事通信は伝えている。

 第2の要因は公明党と創価学会にある。「創価学会の集票力が目に見えて衰弱している」(日刊ゲンダイ同日付) ことである。

 公明党は11月10日、県代表者の会議を開き、後退の原因を①準備時間の不足、②希望の党などの動きで「公明党らしさ」が埋没、③同党議員の女性スキャンダルの発覚-だと報告した。

 だが、そこに欠けているものがある。報告の原案には「安倍政権を支え続ける公明党への不信感」という項目があつた。そこには、「『東京都議選で自民党と協力を解消した一方、嫌いな安倍政権を支えることに終始する公明党というイメージ』があつたと分析。一部の女性支持者が混乱した」という記述があり、安保法制や共謀罪の推進や憲法論議などから「『平和の党であつたはずの公明党の立ち位置がわからない』という意見」もあつた(朝日新聞H10日)。県代表者の会議では、連立政権に配慮してこの部分を報告しなかったという。

 報告原案にあつたとされる「女性

支持者」は創価学会婦人部を指す。公明党の一連の政治対応に対する不信感が学会内部にあり、集票マシーンとしての機能が低下したのだ。

 深刻なのはその不信の源泉が創価学会自身にあることだ。学会執行部が首相官邸と太いパイプを持ち、政策や政局に直接かかわり、それが公明党の政治行動につながっている。これまで組織内の不満は、池田大作氏のカリスマ性で覆うことができていた。教義・本尊規定を変え、ポスト池田体制に移行する学会執行部が求心力を回復することができるのかどうか。創価学会はそんな局面にある、ということができるだろう。

 生長の家や佼成会は

 一方、宗教界の大半はこの選挙に冷静な対応をした。全日本仏教会は与野党の81人に推薦状を出したが、これは加盟寺院等の推薦依頼を受けて行ったものであり、特別に選挙行動をしたものではない。立正佼成会も183人を推薦したが、これも教区、教会レベルの対応を集計したもので、本部としての対応・行動ではない。

 冷静ではあつたが「静観」したのではない。立正佼成会は101日、安倍首相が解散理由にした北朝鮮問題についての見解「因果はめぐる-今、私たちは」 を発表した。

 見解は冒頭で「七十六年前、他国に侵攻する日本に対し、アメリカを中心とする国際社会は厳しい経済制裁をしました。しかし、それが招いたのは、真珠湾への日本の先制攻撃

でした」と戦前のABCDラインの教訓を提示。「真の対話には、世界を変える力があります。駆け引きや圧力ではなく、まずは自らが勇気を持って向き合い、相手の不安や恐怖心を和げて関係を築いていく対話がいかに有効かを、私たちは知っています」「私たちは今、歴史的に重要な時を生きています。対話による平和の文化を築くのか、力による対立の時代を迎えるか」と述べている。

 新日本宗教団体連合会は1018日の全国総会で「北朝鮮情勢の平和解決への祈り」を採択11月23日には東京・千鳥ケ淵戦没者墓苑で「祈りの集い」を開催し、「武力でなく対話、協調を」と訴えた。

 生長の家は106日、立正佼成会の見解に賛同すると表明。また昨年の参院選挙につづき 「再び、与党とその候補者を支持しない」との教団方針(川月4日付=本誌先月号に掲

載)を発表した。

 教団方針は与党不支持の理由として安倍政権が「民主主義の根幹をなす立憲主義を軽視している」 ことと「九条改憲反対」をあげた。九条への 「自衛隊の明記」 は「現状追認」ではなく、集団的自衛権行使や安保法制を確定することであり憲法の平和主義や「知る権利」など基本的人権を脅かす危険があると指摘。自衛隊の日報問題や森友・加計問題を例

示し、「安倍首相個人にとつて〝不都合な真実″が政府や官庁、一部マスコミを巻き込んで隠蔽されことをみても、『知る権利』や『表現の自由』が制限されることは同政権の〝体質″とさえ言える」と断言した。

 信者の思想信条、政党支持の自由を脅かす教団ぐるみ選挙路線を突っ走る創価学会と冷静に、しかも確固として見解を表明した立正佼成会や生長の家など。その対比は注目に値するものだった。

 野党共闘と政界再編

 今回の選挙は野党共闘路線か政界再編路線かを問いかける選挙でもあつた。野党共闘とは単なる「選挙協力」ではない。政策合意にもとづく「共闘」であり、市民運動が参画する

「野党と市民の共闘」である。一方政界再編路線は「数あわせ」の論理にもとづくものだ。

 野党と市民の共闘の威力は昨年の参院選や新潟知事選、仙台市長選などで立証済みだ。参院選後も共闘の運動は継続していた。そこに割り込んだのが小池私党(希望の党) であり、民進党の解体合流工作だつた。狙いは野党共闘路線から使い古された政界再編路線への再転換。前原誠司氏はよりストレートに「最大の理由は共産党との共闘に対する反対だった」と語っている(朝日新聞1024日)。だが、政界再編路線は今回も破綻した。「保守二大政党の並立が現実的ではないということが如実に示されたといえる」と野習院大教授は指摘する(朝日新聞1024日)

 一方、野党共闘は「市民連合」が3野党をつなぎ、共産党が大量の候補者を降ろすことによって持ちこたえた。しかし共闘の中身に濃淡あり、それが結果につながったといえる。

この経験を大切にしたい。

柿田睦夫∴ンヤーナリスト


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# by jcpkasiba | 2017-12-10 12:29 | Comments(0)
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