「国保の都道府県化」による制度改悪に反対し、国民健康保険の再建・改革をすすめます

 市町村が運営する国民健康保険では、「給与年収400万円の4人家族で国保料が年41・7万円」(東京都特別区)など、住民の支払い能力をはるかに超える保険料(税)が各地で大問題となっています。高すぎる国保料(税)を完納できない滞納は312万世帯にのぼり(2016年度)、滞納制裁として保険証を取り上げられた生活困窮者が医者にかかれず重症化・死亡したり、生計費を差し押さえられた滞納者が、餓死や自殺に追い込まれたりするなどの事件も多発しています。

 日本共産党は、国の責任で国保料(税)を引き下げ、国保制度を立て直す改革をすすめます。無慈悲な保険証取り上げや問答無用の滞納制裁をやめさせて、住民の命と健康をまもります。

〔「国保の都道府県化」による住民犠牲の国保行政の拡大に反対する〕

 安倍・自公政権が2015年に強行した法改定により、2018年度から「国保の都道府県単位化(都道府県化)」が実行される予定です。

 新制度が施行されれば、国保は「都道府県と市町村が共同で運営する制度」となります。「都道府県化」が実施された後も、国保料(税)の率・額を決定し、住民に賦課・徴収するのは引き続き市町村の仕事ですが、国保財政は都道府県に一括で管理されるようになり、都道府県が各市町村に「納付金」を割り当て、市町村が住民から集めた保険料を都道府県に「納付」する形で、国保財政はまかなわれることになります。都道府県は、「納付金」の額を提示する際、市町村ごとの「医療給付費の水準」「標準的な収納率」「標準保険料率」などの指標を提示します。こうした仕組みの導入により、“給付費の水準が高い自治体”“収納率が低い自治体”“一般会計からの公費の独自繰入で保険料を下げている自治体”などを浮き立たせ、都道府県から市町村に、給付費抑制、収納率向上、繰入解消を“指導”させるというのが、制度導入の狙いです。

 今回の制度改変に際し、政府・厚労省は、「国保への3400億円の公費投入」を行なうとしていますが、その投入額の半分は、都道府県・市町村の国保行政を政府が“採点”し、“成績が良い”とされた自治体に予算を重点投入する、「保険者努力支援制度」という、新たな仕組みによって配分されます。そこでは、▽市町村に公費の独自繰入をやめさせるよう、都道府県が指導しているか、▽市町村が、滞納者への差し押さえなど、収納対策の強化を行っているか、▽都道府県が、病床削減など医療費抑制の取り組みを行っているか、などが重要な“採点項目”となる予定です。

 新制度のもと、都道府県には「国保運営方針」の策定が義務づけられます。2018年度は、「地域医療構想」「医療費適正化計画」「医療計画」など、この間の法改定によって新設されたり、内容が強化された、病床削減・給付費抑制の計画も、いっせいに発動する予定です。これらの計画は、いずれも都道府県が策定することとされ、しかも、「国保運営方針」と「整合」させることが法律で定められています。「国保運営方針」による市町村国保への予算配分、「医療費適正化計画」による給付費抑制、「地域医療構想」による病床削減――これらの権限をすべて都道府県に集中し、強権的に給付費削減を推進させることが狙われているのです。

 高すぎる国保料(税)の問題を改善するどころか、さらなる負担増と徴収強化を推進する、こんな「都道府県化」では、住民の困難と制度の矛盾は深まるばかりです。そこに、強引な給付抑制策や病床削減が結びつけば、地域の医療基盤が壊れかねません。

 日本共産党は、「国保の都道府県化」による国保料(税)の負担増、住民いじめの国保行政の強化に断固反対します。

 新制度に代わっても、市町村の判断で一般会計の繰入が可能であることは、法案審議の議論で、厚労省もたびたび答弁しました。自治体の判断による公費繰入をまもり、国保料(税)軽減に向けた努力をさらに前進させます。

 来年度から国保の運営主体となる都道府県にも、「給付費削減の先兵となるのか、住民福祉の砦となるのか」を問いながら、都道府県独自の財政支出を行ない、住民負担の軽減や地域医療の向上の先頭に立つことを求めていきます。


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by jcpkasiba | 2017-12-10 12:53 | Comments(0)
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